「家を出るたびに、鍵を閉めたか気になって何度も戻ってしまう」
「手を洗っても洗っても、まだ汚い気がして止められない」
「頭の中に嫌な考えが浮かんできて、作業に集中できない」
強迫性障害(OCD)は、自分でも「おかしいとわかっている」のに、不安や強迫観念がどうしても止められない病気です。意志の弱さや性格の問題ではなく、脳の働き方に関わる精神疾患であることが医学的に明らかになっています。
「こんな自分が就労支援に通えるのだろうか」と不安に感じている方も多いはず。でも、就労継続支援B型事業所コンパスには、強迫性障害と向き合いながら通われている方もいらっしゃいます。今回は、OCDの特性に合わせた関わり方や、通いやすい工夫についてご紹介します。
1. 強迫性障害(OCD)とはどんな病気?
強迫性障害は、「強迫観念」と「強迫行為」が繰り返されることで、日常生活に大きな支障が出る精神疾患です。
- 強迫観念…自分の意思とは関係なく、頭の中に繰り返し浮かんでくる不安・恐怖・嫌な考え(「鍵を閉め忘れたかも」「手が汚れているかも」など)
- 強迫行為…その不安を打ち消そうとして、何度も確認したり、洗ったり、特定の順序を守ったりする行動
「やめたい」と思っていても止められず、確認や洗浄に何十分・何時間もかかってしまうことがあります。本人の意志の問題ではなく、脳内の神経回路のバランスが崩れていることが原因とされています。
2. 就労支援に通う上で「困りやすいこと」と対応
強迫性障害の方が就労支援に通う上で、よくある困りごとをご紹介します。コンパスでは、こうした特性を事前にスタッフと共有することで、無理のない通い方を一緒に考えています。
「家を出るのに時間がかかる」
鍵やガスの確認を何度も繰り返してしまい、予定通りに出発できないことがあります。コンパスでは、到着時間に厳格なルールはありません。「今日は少し遅れそう」と連絡を入れてもらえれば、スタッフが柔軟に対応します。
「手洗いやトイレの時間が長くなる」
不潔恐怖のある方は、作業の合間に何度も手を洗いたくなることがあります。「何回洗えばOK」と周囲に決められてしまうとかえってプレッシャーになるため、スタッフが無理に制限することはしません。本人のペースを尊重しながら、少しずつ安心できる環境を整えます。
「作業の手順が変わると強い不安が生じる」
「決まった順番でやらないと気が済まない」という方にとって、突然のルール変更はとても辛いものです。コンパスでは、作業内容の変更がある場合は事前に伝えるよう心がけています。また、本人が「いつもと違う」と感じた時は、落ち着いて確認できる場を設けています。
3. 強迫性障害の方に向いている作業スタイル
強迫性障害がある方の中には、「丁寧さ」「正確さ」「几帳面さ」という強みを持つ方がとても多いです。この特性を活かした作業は、達成感につながりやすく、自信の回復にも役立ちます。
- シール貼り・袋詰めなどの丁寧さが求められる単純作業
- 手順が決まっているルーティン作業(毎回同じ工程を繰り返すもの)
- 一人で集中して取り組める軽作業
- 急かされることなく、自分のペースで進められる作業
「完璧にやらなければ」というプレッシャーが強くなりやすいため、スタッフは「できた部分を認める」「完璧でなくても大丈夫」という声かけを意識しています。
4. 「通院しながら」でも大丈夫
強迫性障害の治療には、薬物療法(SSRI)や認知行動療法(ERP:暴露反応妨害法)が有効とされており、定期的な通院が必要な方も多いです。
コンパスでは、通院日に合わせて通所日数や時間を調整することができます。「週2日・午前のみ」など、無理のない範囲からスタートして、体調や治療の進み具合に合わせて少しずつ通う日数を増やしていくことが可能です。
「治療を続けながら、社会とのつながりも保ちたい」という方にとって、就労支援B型は無理のない選択肢の一つです。
まとめ
強迫性障害(OCD)は、本人が一番「なんでこんなことをしているんだろう」と苦しんでいる病気です。「やめられない自分」を責めながら、毎日を過ごしている方もたくさんいます。
就労支援B型事業所コンパスは、そんな自分を責めながら来てくれる方を、そのまま受け入れる場所でありたいと思っています。完璧にできなくていい。遅刻しても構わない。確認に時間がかかっても大丈夫。
「一度、見学だけでも」という気持ちで来ていただくだけでも歓迎です。平野区で安心して通える居場所をお探しの方は、お気軽にご連絡ください。













