「人と接するのが極端に怖くて、外に出るのが苦しい」
「挨拶すら緊張してしまって、働くなんて考えられない」
対人恐怖や社交不安障害(SAD)を抱えていると、人がいる環境に身を置くだけで心身ともにひどく疲労してしまいますよね。ご家族としても、なんとかしてあげたいけれど、無理な後押しをして余計に傷つけてしまわないかと心配されていることと思います。
就労継続支援B型事業所は、そうした「人が怖い」という思いを持つ方でも、無理のないペースで少しずつ「外の環境」や「人」に慣れていくことができる場所を目指しています。今回は、コンパスでの過ごし方の例をご紹介します。
1. 最初は「その場にいるだけ」でも大丈夫
就労支援と聞くと、「他の人と協力して何かをしなければならないのでは?」と不安になるかもしれません。でも、最初は「決まった時間に、事業所という場所に来て、自分の席に座るだけ」からで全く問題ありません。
- 挨拶は会釈だけでもOK
- 誰とも話さず、自分の作業にだけ集中してOK
- しんどくなったら、すぐにスタッフに伝えて別室で休んでOK
まずは「ここは自分を否定されない、安全な場所なんだ」と感じていただくことが一番大切だと考えています。
2. 対人関係の「ハードル」を下げる工夫
対人恐怖の強い方がパニックを起こさずに段階を踏めるよう、コンパスでは環境面での配慮や工夫を行っています。
一人の作業に集中できる環境
もくもくと取り組める作業(パソコンを使ったデータ入力や軽作業など)を多数ご用意しています。無理に誰かとコミュニケーションを取らなくても、与えられた自分の役割を果たすことができます。
スタッフとのやり取りは最小限から
その日の体調や気分に合わせて、スタッフからの声かけの量や回数も調整します。「今日はそっとしておいてほしい」という意思表示のサインを決めておくなど、ご本人が安心できる関わり方をご家族とも相談しながら一緒に見つけていきます。
3. 少しずつ「人慣れ」していくためのステップ
ずっとひとりで作業するだけでなく、ご本人の「少しやってみようかな」というタイミングが来たら、本当に少しずつ対人の練習を組み込んでいくことも可能です。無理強いは決してしません。
- STEP1:スタッフ一名とだけ、その日の体調について短い報告をする
- STEP2:作業の質問や報告など、「必要な連絡」だけを言葉にして伝える
- STEP3:少し慣れてきたら、顔なじみの他の利用者さんと挨拶だけ交わしてみる
焦らなくて大丈夫です。半年、1年とかけてSTEP1ができるようになるだけでも、それはとてつもなく大きな前進です。
4. 見守るご家族へお伝えしたいこと
社交不安障害や対人恐怖を持つ方のご家族は、「このままずっと家にいたらどうしよう」と焦りや不安を感じやすいものです。しかし、「早く慣れなさい」と背中を押すことが、ご本人にとって逆効果になってしまうことも多々あります。
私たちスタッフが間に入ることで、ご家族の肩の荷を少しでも下ろすお手伝いができればと思っています。「今日は事業所に行けたね」「30分だけ頑張れたね」という、ご本人の小さなステップを一緒に承認し、焦らず見守る体制を作っていきましょう。
まとめ
「人が怖い」という感情は、簡単に消えるものではありません。しかし、「この人になら、この場所になら、少しだけ心を開いてもいいかな」と思える安全基地を持つことで、社会との繋がり方は確実に変わっていきます。
平野区の就労継続支援B型事業所コンパスでは、見学やご相談も「人が少ない時間帯」に調整することが可能です。ご本人が難しければ、まずはご家族だけでのご相談も歓迎しております。無理のない一歩から、一緒に始めてみませんか?













